戦場だけでは無いのです。 というか寧ろ、今この場所こそが戦場なのです。 親の庇護下にあるものと、自由を求めて飛び立ったもの。 一体そのどちらが本当に自由なのかは判じかねますが、とりあえず僕は前者でして。 無いもの強請りとはよく言ったものです。 僕はもう随分と長いこと、それはもう飽きもせずに大層な時間をもって、後者に憧れを抱いているのです。 毅然とした自身の主張を求められ、けれど人は右に倣えの人形を好みます。 出る釘は打たれ型に嵌り過ぎた釘は抜かれ。 最近の社会と言ったら、昼休みの飲料を買うときでさえ、その微妙な判断を強いられる始末なのです。 戦場だけでは無いのです。 狭い金魚鉢の中で喘ぐ魚のように、僕たちはいつだってもがいているのです。 日々やってくる日常の、なんて息苦しいこと。 生きるか死ぬかの瀬戸際で戦う兵士のように、生き残るため誰もが戦っているのです。 fin. |
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